

このコラムでは、海外輸出を実施している企業さま、もしくはこれからの越境取引を検討されている方向けに、セカイカートに限らない越境BtoB ECに関する基本情報を提供いたします。
取引先ごとの価格設定
BtoB取引の大きな特徴は、顧客ごとに条件が異なる点です。
代理店価格、長期契約価格、大口発注価格、貿易取引条件(インコタームズ)など、同じ製品でも顧客によって価格体系が変わります。
越境BtoB-ECでは、取引先別の価格表示や見積管理ができる仕組みが欠かせません。これがないと、従来の営業慣習と整合性が取れず、導入が進みにくくなります。
多様な決済・与信対応
法人取引では前払いだけでなく、掛け払い(後払い)や信用取引が一般的です。
越境取引の場合、為替変動や信用リスクも加わるため、国際的に対応できる決済手段や与信管理の仕組みが必要になります。
最近では、決済代行サービスや越境BtoB向けのファイナンスサービスを組み合わせるケースも増えています。
輸出規制適合性表示
EUのRoHS, WEEE, REACHに代表されるような各種規制があります。
化学品、電子機器などを海外に販売する場合は、各種規制への適合性などを商品情報として取引先に対して明示することが必要になります。
見積・請求・契約の電子化
従来は紙やPDFでやり取りしていた見積書や契約書も、オンライン化が求められます。
多言語・多通貨に対応した見積・請求機能、そして承認ワークフローを備えたシステムは、越境BtoB-ECにおいて業務効率化を大きく推進します。
ロジスティクスとの統合
越境ECでは、物流・関税・通関といった要素も欠かせません。
配送コストの見える化や、納期を顧客に正確に提示できる仕組みを備えることで、信頼性の高いサービス提供につながります。
特に食品や機械部品などは輸出規制や認証が絡むため、ECプラットフォームと物流機能を一体的に設計することが重要です。