越境BtoB-ECの課題と今後の展望

このコラムでは、海外輸出を実施している企業さま、もしくはこれからの越境取引を検討されている方向けに、セカイカートに限らない越境BtoB ECに関する基本情報を提供いたします。

法規制と貿易実務の壁

越境取引では、国ごとに異なる輸入規制や関税、認証制度に対応する必要があります。
食品や化学品、機械部品などは特に規制が厳しく、ECを通じて受注しても実際の輸出がスムーズに進まないケースがあります。法務・貿易部門とECの仕組みをどう連携させるかが重要な課題です。

海外企業との取引では、支払い遅延や信用リスクが大きな懸念となります。
国際的に信頼できる決済サービスの活用や、信用調査、保険制度を組み合わせたリスク管理が不可欠です。ECが販路を広げる一方で、取引の安全性を確保する仕組みづくりが求められています。

輸送コストの高騰や、国際情勢による物流の不安定化も課題です。
顧客に正確な納期を提示するには、ECシステムと物流パートナー（フォワーダー等）の連携が欠かせません。サプライチェーン全体を俯瞰して最適化する仕組みが、越境BtoB-ECの持続的な成長に直結します。

今後はAIやデータ分析を活用した需要予測、多言語対応の高度化、ブロックチェーンによる契約・決済の信頼性向上など、技術革新が越境BtoB-ECを一層進化させると考えられます。
販路拡大の手段としてだけでなく、グローバルな事業基盤を築くための「次世代インフラ」としての役割が期待されます。